とある眼科医のつぶやき

とある眼科医は日頃の診療で患者さんから質問されることに答えたり、眼に関する役立つ知識を提供します。

2019-01-01から1年間の記事一覧

円錐角膜

円錐角膜 【概説】 ・角膜中央部の非炎症性突出とその菲薄化 ・思春期に好発 ・男性に多い ・進行性だが、30歳頃に進行は停止することが多い ・両眼性が多いが、重症度には左右で差がある ・機械的な刺激が関与している恐れもある ・Down症候群、Ehlers-Danl…

アトピー性角結膜炎について

【概要】・1953年Hoganにより報告 ・10歳後半から20歳代にかけて増悪する例が多いが、30~40歳代まで背念化する難治症例も みられる。【他覚的所見】 ・​トランタス斑:輪部境界の部分で結膜が盛り上がって堤防のようになっているもの ・乳頭増殖、下眼瞼結膜…

顆粒状角膜ジストロフィII型(従来のAvellino角膜ジストロフィ)

顆粒状角膜ジストロフィII型(従来のAvellino角膜ジストロフィ) 【概説】 ・TGFB1遺伝子の5番染色体長腕にある124番目のアルギニンがヒスチジンに変異したため 生じたもの・常染色体優性遺伝・本邦の顆粒状角膜ジストロフィはtypeIIがほとんど・ホモ接合体は…

急性出血性結膜炎について

急性出血性結膜炎(AHC;acute hemorrhagic keratoconjunctivitis) 【原因】エンテロウイルス70(EV70)、コクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)【特徴】潜伏期:半日~1日両眼性耳前リンパ節腫脹 SPKを合併するため発症時に痛み、異物感を訴える。約1週間で後遺症…

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎問題1アレルギー性結膜炎の分類は?問題2季節性結膜炎で多いのは?その原因で最も多いのは?問題3季節性アレルギー性結膜炎は何を高率に合併する?問題4アレルギー性結膜炎で特異度が高い臨床症状は?問題5 アレルギー性結膜炎で他覚所見7つ問…

アレルギー性結膜疾患に対する点眼薬

アレルギー性結膜疾患に対する点眼薬 ●メディエーター遊離抑制薬 クロモグリク酸Na(インタール®、インタールUD®) アンレキサノクス(エリックス®) ペミロラストカリウム(アレギサール®、ペミラストン®) トラニラスト(リザベン®、トラメラス®) イブジラスト(ケ…

Terrien辺縁角膜変性について

Terrien辺縁角膜変性について ・あらゆる年齢層でみられる ・ 両眼性かつ非対称に周辺部角膜が徐々に菲薄化する慢性進行性変性 疾患 ・原因不明 ・角膜上方に多い(が、周辺部どこにでも発症しうる) ・角膜周辺部の細かい点状の実質混濁→ 角膜輪部に平行し…

周辺部角膜浸潤(カタル性角膜潰瘍)

周辺部角膜浸潤(カタル性角膜潰瘍) 【概論】 ・眼瞼、瞼縁に存在するブドウ球菌のガイドくそに対するⅢ 型アレルギー反応 ・角膜周辺部病変 ・発症初期(周辺部角膜浸潤): 角膜上皮欠損はなく浸潤病巣だけのもの →進行すると上皮欠損を生じる。これをカタ…

角膜創傷治癒

以下の順で角膜創傷の治療について概説する ①角膜上皮の創傷治癒 a)角膜中央部の上皮欠損の修復 b)全角膜上皮欠損 ②角膜実質の創傷治癒 ③角膜内皮の創傷治癒 ①角膜上皮の創傷治癒 a)角膜中央部の上皮欠損の修復 ・周囲の上皮細胞の伸展・移動( 欠損部表層に…

Wilson病について

Wilson病について ・先天的なセルロプラスミン合成障害により全身組織に銅沈着 ・特に肝臓と脳基底核に強く沈着 ・10~20歳代に多い ・眼症状として、本疾患の80~90%に角膜にKayser-Fleischer輪という銅沈着を認める(Descemet膜レベル) ・水晶体前嚢にもひ…

Hurler症候群について

Hurler症候群 ・ムコ多糖代謝異常の一 ・常染色体劣性遺伝orX染色体劣性遺伝性 ・精神運動発達遅滞、ガーゴイル顔貌、水頭症、循環器系疾患 ・眼症状:角膜混濁、網膜変性、gla、視神経萎縮 ・出生時角膜は透明だが、1歳までに霧のかかったような混濁が生じ…

角膜の生理学

角膜の生理学 ・角膜の屈折力:約43D(眼球全体が約60D) ・曲率半径:前面が約7.7㎜、後面は約6.6㎜ ・屈折率は約1.3 ・角膜の横径:11.5~12㎜ ・角膜厚:中央で約520μm、周辺部では約700μm 角膜上皮 ・5~6層の非角化重層扁平上皮 ・厚さは中央で約50μm ・…

アミオダロン角膜症

アミオダロン角膜症について眼科学に書いてあることまとめ ・角膜上皮深層に褐色の渦状の色素沈着 ・Orlando分類(Ⅰ~Ⅳ)がある。 ・アミオダロン投与の2/3に角膜症の発症が見られるという研究もある。 ・アミオダロン投与量および投与期間に相関する。 #ア…

悪性緑内障

悪性緑内障についてまとめ 【病態】 ・内眼術後合併症で、極端な浅前房+高眼圧 【概論】 ・縮瞳薬で増悪し、調整麻痺・散瞳薬によって軽快する 【臨床所見】 ・虹彩の裏面に房水貯留はみられず、 毛様体や水晶体が前方移動し虹彩裏面に押し付けられている。…

流行性角結膜炎の疾患概念

流行性角結膜炎(EKC;epidemic keratoconjunctivitis) 【俗称】はやり目 【好発】8月頃 【原因菌】アデノウイルス8,19,37型。4型も軽症となる。 【病歴】1週間→数日の間隔をおいて両眼性へ。 重症例や小児では偽膜形成。発病7~ 10日後頃より角膜表表層に点…

淋菌性結膜炎

眼科学第2版 【特徴】 ・淋菌は粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、 乾燥などで容易に死滅する。 ・培養は5~10%炭酸ガス環境下で。 ・潜伏期間は半日から2日程度 【症状】 ・大量の黄色クリーム状の膿性眼脂 ・強い眼瞼腫脹・結膜充血、浮腫、混…

クラウドワークス での稼ぎ方間違ってませんか?こうやってクラウドワークスで月に50万円稼げます!

どうも、お久しぶりです。DoctorKです。 ※長過ぎるので興味のある方だけ読んで、コメントください笑 さて、今回は僕が扱っている、『ココナラ』というサービス(URL:クラウドソーシング副業で稼ぐコツをお教えします 自由に使えるお金が欲しい方必見!|副業…

バスにタダで乗れる良い仕組み

こんばんは。ドクターKです。 今日はスタバに行って、「星野リゾートのおもてなしデザイン」 Amazon CAPTCHA を読んで、星野リゾートがどうして成功したか。そのヒントが得られたらなと思い読んでいました。 医学はまだまだ縦社会ですが、「この診断は違うん…

生活保護で支給される金額

こんばんは。ドクターKです。 僕の病院にも多くいる生活保護費受給者ですが、彼ら/彼女らは一体どこまでの範囲を保護されているのかと思い検索してみました。 生活保護費としてもらえる費用は以下の通りです。(文章の参考にしています。) xn--t8j3b8esc1fu…

国が行う政策~不妊に対する特定治療支援事業~

こんばんは。 昨日ブログで宣言しました↓ eye-doctork.hatenablog.com 早速なのですが、今回はいきなりマニアックかもしれませんが、「国が行う政策~不妊に対する特定治療支援事業~」と題して、不妊症に関して国が行う政策を解説していきます。 不妊症につ…

ひらめいた!(大したことでもないか…笑)

こんにちは。ドクターKです。 「分かりやすい医療制度」と題しまして、明日から記事を何本か連載していきます! 更新は 毎日 が目標です! それではお楽しみに!

ピコ?いえPICOです。

こんばんは。ドクターKです。 最近、EBMに興味が出てきて、EBMの本を読んでいます。EBM自体難しいのにそれを解説する本となればさらに難しいと思いきや!平易なことばで書いてあるが、内容はかなり充実しています。 この本 books.rakuten.co.jp さて、最近は…

インフルエンザ猛威止まらず

こんばんは。ドクターKです。 この前、スタバでてんかんの人が倒れて、久しぶりに公共の場で医師っぽいことをしました。 さて、巷ではインフルエンザがまだまだ蔓延しており、止まることをしりませんね。そんな中、スマートニュースに以下の記事が。 「イン…

EBMについて

こんばんは。ドクターKです。 最近、EBMは当たり前になりつつありますが、改めて勉強し直そうと思い、パレオな男さんパレオな男がオススメしている、原田隆之著の「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」を読み始めました。 EBMを知らない…

インフルエンザ予防するには?

こんにちは。ドクターKです。 今から違う病院へ当直に向かう途中で書いております。今日もインフルエンザが多いんだろうなと思いながら… さて、今回もインフルエンザの予防です。参照したのはアメリカのCDC(疾病対策予防センター)のサイトを参照しました。…

インフルエンザはいつ終わるのか…

こんばんは。ドクターKです。 まだまだ大流行のインフルエンザですが、中には死者も出ており、ニュースにも取り上げられていますね。 この脅威はいつまで続くんだ? と不安な方も結構いらっしゃると思います。そこで!今回はインフルエンザはいつ終わるのか…

実は怖いインフル

こんばんは。ドクターKです。 皆さんこの記事をご覧になりましたか? スマートニュースでニュースになっていたので、ご存知の方も多いかと思います。インフルエンザの新薬ゾフルーザも新発売となり、インフルエンザの治療もさらに進歩していくことでしょう。…

ゾフルーザ本当に大丈夫?

こんばんは。ドクターKです。 相変わらずインフルエンザは流行っていまして、先日は「ゾフルーザという新薬ゾフルーザという新薬 - とある眼科医のつぶやき」という記事で、新薬”ゾフルーザ®︎”についての記事を書きました。 ゾフルーザ®︎はインフルエンザA、…

クラウドソーシング副業についてのサービス始めました!

皆さん、おはようございます。ドクターKです。今日も東京は天気が良く、比較的暖かいですね。 さて、今回は他サイトになりますが、ココナラというサイトです。 このサイトでは、自分の持っている特技や資格を用いて、それをサービスとして売ることができるサ…

ゾフルーザという新薬

こんばんは。ドクターKです。 インフルエンザの警告が様々な都市で出ており、僕の病院の外来でもかなり多くのインフルエンザ患者さんを診察します。 そんな中、今年から本邦で使用可能になり、注目を集めているのが Baloxavir marboxil(ゾフルーザ®︎) です…