とある眼科医のつぶやき

とある眼科医は日頃の診療で患者さんから質問されることに答えたり、眼に関する役立つ知識を提供します。

Terrien辺縁角膜変性について

Terrien辺縁角膜変性について


・あらゆる年齢層でみられる

・ 両眼性かつ非対称に周辺部角膜が徐々に菲薄化する慢性進行性変性 疾患

・原因不明

・角膜上方に多い(が、周辺部どこにでも発症しうる)

・角膜周辺部の細かい点状の実質混濁→ 角膜輪部に平行して実質の混濁→ 表在性血管侵入と菲薄化がゆっくりと進行する

・菲薄化した部分の角膜中央部側に脂肪が沈着しやすく、 黄白色の境界を認め、輪部と病変部には透明帯が存在する。

・ 角膜上皮欠損はないためフルオレセインのプーリングは認めるが染 色はされない。

・偽翼状片を約20%に認め、 軽度な外傷が契機で角膜穿孔を生じる

・治療:炎症があるなら低濃度ステロイド。 角膜穿孔なら治療用SCL装用を行い数日で閉鎖する場合もあるが 、重度の穿孔例、進行例に対しては周辺部表層角膜移植術を行う。


【D/D】

Mooren潰瘍、リウマチ性角膜潰瘍

→上皮障害があり、フルオレセインで染色される。 進行も早く炎症細胞の浸潤も認める。