周辺部角膜潰瘍について
周辺部角膜潰瘍
・多くが非感染性だが、感染性の場合もあるため注意
・周辺部の角膜浸潤および上皮欠損、血管侵入を伴うこともある。
D/D
非感染性→リウマチ性、カタル性、Mooren角膜潰瘍(蚕食性角膜潰瘍)、春季カタルによる角膜潰瘍、その他(角膜デレン、Terrian周辺角膜変性は上皮欠損を伴わない。marginal furrow)
感染性→ヘルペス性、細菌性
・非感染性周辺部角膜潰瘍には円形で角膜浸潤と上皮欠損を伴うカタル性角膜潰瘍と角膜輪部に平行で弧状のRA(関節リウマチ)に伴う周辺部角膜潰瘍がある。
・感染性周辺部角膜潰瘍にはウイルス性結膜炎や眼瞼炎を伴うヘルペス性、より深くまでに及ぶ細菌性などがある。
・RAに伴う周辺部角膜潰瘍は血管侵入を伴わずに穿孔することもある。
【合併症】
・カタル性周辺部角膜潰瘍:眼瞼縁炎やマイボーム腺炎などの慢性のブドウ球菌感染が高頻度。巨大乳頭による上方周辺部角膜潰瘍
・ヘルペス性周辺部角膜潰瘍:初発のことが多いため、結膜炎や眼瞼縁炎を伴う
・RAによる周辺部角膜潰瘍:涙液分泌異常症や強膜炎を伴うことも
【各論】
①Mooren(蚕食性角膜潰瘍):別記事参照
②関節リウマチによる周辺部角膜潰瘍
・40歳以上の女性に多い
・強膜炎や結膜充血を伴うことが多い
・両眼性
・治療はステロイド。オペするなら角膜上皮形成術や表層角膜移植術。穿孔例は再発しうるので難渋。
③その他自己免疫疾患に伴う周辺部角膜潰瘍
・ステロイド、NSAIDS、自己免疫抑制薬などを内服およひ点眼
⑤デレン(dellen)
・角膜が局所で涙液層に覆われず、乾燥のため角膜実質の菲薄化が生じた状態
・ope後隆起により涙液層が破壊される。
・短期的には眼軟膏、治療用SCL→隆起物除去
⑥Terrien周辺角膜変性
⑦marginal furrow
・加齢に伴う老人環
・軽度菲薄化のみで穿孔はないため治療不要