とある眼科医のつぶやき

とある眼科医は日頃の診療で患者さんから質問されることに答えたり、眼に関する役立つ知識を提供します。

ゾフルーザという新薬

こんばんは。ドクターKです。

 

インフルエンザの警告が様々な都市で出ており、僕の病院の外来でもかなり多くのインフルエンザ患者さんを診察します。

 

そんな中、今年から本邦で使用可能になり、注目を集めているのが

 

Baloxavir marboxil(ゾフルーザ®︎

 

です。

 

1回内服で治療終了」する治療薬で、

 

今まで

・5日間内服

・吸入や点滴に慣れていない、あるいは不可能

 

などといった患者さんにも使い勝手の非常に良い新薬です。そこで、今回は2回の記事で

⑴ゾフルーザの効果効能

⑵ゾフルーザの副作用やリスク

について説明します。

 

⑴ゾフルーザの効果効能

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ゾフルーザの効果効能を簡単に説明すると、

「インフルエンザウイルス特有のタンパク質の活性を抑制し、ウイルスの増殖も抑制する。」

とういうこと。

 

また、ウイルスに特有のタンパク質だから、人間には副作用を起こしにくいとされています。

 

実際の効果はというと、

「Baloxavir marboxil for uncomplicated influenza in adults and adolescents

New England Journal of Medicine 379 (10), 913-923, 2018

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1716197

 

第Ⅲ層試験の1064名を対象とした実験で、インフルエンザ症状(発熱、倦怠感、関節痛など)の緩和していく期間を追ったところ、

 

その期間がプラセボ群は80.2時間だったのに対し、ゾフルーザ投与群は53.7時間だった。

 

つまり、ゾフルーザを使うと、インフルエンザ症状発現期間は約1日間の短縮が出来ることが分かった。また、現在一般的に使用されているタミフルという薬剤とも同等の期間であった。

 

これは素晴らしい!

 

タミフルは治療開始後5日間の内服が必要だけど、ゾフルーザはたった1回。

 

子どもに毎日内服させるのは非常に難しいが、ゾフルーザなら1回飲めば後は飲まなくていい。

 

今後、インフルエンザ治療薬の当たり前は変わってくるかもしれない。

 

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