とある眼科医のつぶやき

とある眼科医は日頃の診療で患者さんから質問されることに答えたり、眼に関する役立つ知識を提供します。

顆粒状角膜ジストロフィ typeI(従来の顆粒状角膜ジストロフィ)

顆粒状角膜ジストロフィ typeI(従来の顆粒状角膜ジストロフィ)


【概論】 ・TGFB1遺伝子の5番染色体長腕にある555番目のアルギニンがトリプトファンに変異した ため生じたもの
・常染色体優性遺伝
・本邦の顆粒状角膜ジストロフィはtypeIIがほとんど
・ホモ接合体で生じると重症
【臨床所見(ヘテロ接合体)】 ・初期には両眼瞳孔領付近に円形で辺縁鮮明な顆粒状の小さい白色~灰白色の混濁 ・角膜上皮下および角膜実質浅層にヒアリンが沈着 ・Masson-trichrome染色で赤色
【臨床所見(ホモ接合体)】 ・角膜上皮下実質浅層の同じ深さに白色の細網状の混濁が角膜ほぼ全体に存在 →進行すると虹彩、前房は全く見えなくなる ・角膜上皮下および角膜実質浅層にヒアリンが沈着 ・Masson-trichrome染色で赤色 ・進行が早くほとんどが5歳頃に著明化し、10歳前後で治療が必要となる
【治療】
・first choice:エキシマレーザーによる表層角膜切除術(PTK) →ヘテロ接合体で再治療はごくわずかだが、ホモ接合体では1~2年経過すると術後上皮が修 復し、実質と接する面で再発する。 →ホモ接合体での再発は早い為、再発を繰り返すようなら表層角膜移植、深層角膜移植を行 う

 

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