とある眼科医のつぶやき

とある眼科医は日頃の診療で患者さんから質問されることに答えたり、眼に関する役立つ知識を提供します。

レーシック手術って?

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皆さん、おはようございます。ドクターKです。

 

昨日は暑かったですが、今日は5度くらい気温が下がって寒くなるみたいですね。皆さん、気温の変化で体調を崩さないよう気を付けてくださいね。

 

さて、皆さんの中にレーシック手術を受けたことがある方はいらっしゃいますか?多くの方がまだ眼鏡やコンタクトレンズを付けているかと思いますが、タイガーウッズらがレーシック手術を受けたというニュースが出て以来、社会的関心がレーシック手術にも集まりつつあります。

 

また、レーシック手術が行われるようになって12年近く経ち、レーシック手術の課題やその対応策も考えられ、より安全な手術になってきているかと思います。

 

そこで、今回は

 

レーシック手術とはそもそもどのようなものか。

レーシック手術の問題点

 

の2点について説明していこうと思います。

 

1.レーシック手術とは

レーシック手術というのは英語で書くと

 

LASIK

 

という綴りになります。かっこいいですね。

 

LASIKとは、LAser(-assisted) in SItu Keratomileusisの略で、レーザー照射を本来の場所に収まったままの眼球に施し、角膜を彫り整えることの意味があるようです。

 

手術自体は両眼合わせて10分~30分ほどと施設によってばらつきがありますが、すぐに終わってしまいます。手術の手順を簡単に説明しますと、手術室に入った後、

 

A)眼に麻酔の目薬をします。

B)麻酔が効いたら、次に角膜を機械で薄くスライスします。

C)スライスした角膜をめくり、瞳孔のところにエキシマレーザーという特殊なレーザーを当てます。

D)先ほどめくった角膜を元の位置に戻します。

 

以上です。その日のうちに視力が回復する方もいらっしゃいますが、視力が安定するには1週間~1か月以上かかる場合もあります。

 

2.レーシック手術の問題点

非常に簡単そうな手術ではありますが、3点ほど問題点もあります。

 

まず1つ目が保険診療でないこと。

 

それはそうですよね、眼鏡やコンタクトレンズでいいんですから。自由診療になります。

 

2つ目が合併症です。合併症のうち特に問題になると思われるのが以下の3つ。

①視力が回復しない

②はがした角膜がずれる

③眼の感染症

です。

 

①については、LASIKは手術ですから、当然失敗することはあります。原因は様々ですが、調節がうまくいかず失敗しる例、そもそもLASIKしても視力が回復しない他の病気が潜んでいた例などが考えられます。

 

また、②の”はがした角膜がずれる”こともあります。角膜は陰圧で元の位置に戻ることがほとんどですが、何らかの理由で角膜が元の位置に戻らないこともあります。こうなると視力は回復しません。

 

最後に、③の”眼の感染症ですが、手術全般に言えることですが、感染症は必ず一定の確率で起こってしまいます。しかし、こういった眼の感染症に関しては十分な研究がなされているため、抗生物質の入った目薬や点滴で対処できることがほとんどです。

 

そして、3つ目、これが一番の問題点かもしれません。

 

“眼科医がレーシック手術を受けている人が少ない。”

 

ということです。僕の医局員はほぼ全員眼鏡かコンタクトレンズです。まして、LASIK手術を行っている先生も眼鏡やコンタクトレンズだったりします。

 

これが何を意味しているか分かりますか・・・?

 

 

とまあ、意味深なことを書きましたが、たまたまですけどね(笑)最新の治療ということもあり、まだ実際に行っている人がそれほど多くないのが現状ではありますが。

 

LASIK手術には問題点はあると述べましたが、どの手術にもそれぞれ問題点や課題点は存在します。それら問題点や課題点と皆さん自身の状況と照らし合わせてその治療を行うかどうかがが決まってきます。

 

今の時代は治療方法も多く、医師の説明義務もありますから、選択肢が多くて患者さん側は困惑してしっていることが多々あります。そんな時代ではございますが、その際にこのブログが皆さんのお役に立てば幸いです。

 

それではまた次のブログで!お仕事行ってきまーす~

 

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