白内障手術について
おはようございます。ドクターKです。
以前、ブログで白内障について説明しましたが、理解していただけましたでしょうか?僕の患者さんの中には白内障を受けるとなると、ご家族の方が白内障について一生懸命調べてきてくださる方が結構いらっしゃり、こちらも説明しやすいなと思っています。
という方は僕のブログ「白内障って怖い病気?」をご覧ください!
さて、今回は白内障の手術について説明したいと思います。
白内障手術としてよく知られているのが以下の3種類です。
①超音波水晶体摘出術
②水晶体嚢外摘出術
③水晶体嚢内摘出術
これら白内障の手術のうち、現在主流なのが“超音波水晶体摘出術”(呼び方は教科書によって若干異なります。)という術式です。
超音波水晶体摘出術では、まず角膜(あるいは強膜)に数mm程度の傷を入れます。そこから水晶体にアプローチするのですが、水晶体には嚢と呼ばれる膜のようなものがあります。その嚢を切抜くことで水晶体をきれいに取り除くことができます。
ブドウの皮が嚢、ブドウの果実の部分が水晶体本体と思っていただければいいかと思います。ブドウの果実を食べるとき、皮が邪魔ですよね?そんなイメージを持っていただければ分かりやすいかと思います。
そして、超音波を発する機械を用いて、白く濁った水晶体を削ってそれを吸引する。その後、取り除いた水晶体の代わりに人工レンズを入れるといった手術です。早くて10分程度で終わってしまう手術です。
通常はこの“超音波水晶体摘出術”という手術が選択されますが、ある特殊な条件の場合はその他の手術(②③)が選択されることがあります。
水晶体嚢外摘出術および水晶体嚢内摘出術について簡単に説明します。いずれの手術も特徴は、
“水晶体を丸ごと取り出す”
ことです。そのため、超音波水晶体摘出術では角膜に数mm程度の傷を作るだけで十分でしたが、②③の手術では水晶体を丸ごと取り出すためにその傷もかなり大きくなります。
ここで、②③の手術が選択される条件に移りましょう。
下記のAとBがその条件になります。
- 水晶体が硬く超音波で破砕できない場合
- チン小帯という部位が弱い場合
Aは何となく想像が付くかと思います。超音波で壊せなかったら、水晶体丸ごと取り出すしか人工レンズを入れる方法はありませんよね?ですから、超音波水晶体摘出術ではなく、水晶体嚢内(外)摘出術が選択されるのです。
Bについてですが、眼には水晶体の場所を固定する“チン小帯”という構造物があります。このチン小帯が弱い方だと超音波水晶体摘出術ではなく、水晶体嚢内(外)摘出術が選択されます。
これらの手術は手術時間も短いため、チン小帯にかかる負荷が小さくなります。というわけでBの条件があるような場合には水晶体嚢内(外)摘出術が選択されることになります。
このように白内障手術には様々な種類があり、その選択にもいくつか条件があることがわかってもらえると、手術する眼科医の説明も頭に入ってくるかと思います。
このブログが皆さんのお役に立ててれば幸いです。
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