アルコールが眼に与える悪影響
皆さん、こんにちは。今日、2回目のドクターKです(笑)
外は涼しくなってきて、徐々に秋へと近づいてきまし
たね。食欲の秋ということでその強い味方!
そう、お酒ですよね。
僕もワインを好んで飲むのですが、アルコールは食道がんのリスクを上げたり、肝臓を傷めたりするけど、眼には影響ないのかな?と疑問に思ったので、今回論文を探してみました。
今回紹介する論文は2015年4月にOptometry and Vision Scienceで掲載された、サウサンプトン大学のGong,Yuら著の「Different Amounts of Alcohol Consumption and Cataract: A Meta-analysis」という論文で、メタアナリシスの研究です。この論文はメタアナリシスなのでエビデンスレベルⅠに該当します。(→エビデンスレベル忘れた方は僕のブログ「こうして決まる論文の信頼度」をcheck!)
タイトルの通り、アルコール消費量と老人性白内障のメタアナリシスということですが、
「アルコールは飲みすぎると体に悪いし、アルコール消費量が増えると老人性白内障のリスクも上がるのかな?」
「それとも関係ないのかな?」
「はたまた、老人性白内障のリスクを下げるのかな?」
ということを調べるのがこの論文の目的です。
方法はPubMedとEmbaseという論文検索サイトを使って、2014年5月までにアルコール消費量と老人性白内障の関係を調べた論文を検索するといった手法を取っています。
合計で
5つの症例対照研究
5つのコホート研究
を見つけたようです。
この計10個の研究をメタアナリシスしてみると、以下の結果が分かったそうです。
①20g/日以下のアルコールを消費する人は有意傾向にあり、老人性白内障の相対危険度が0.88となる。(相対危険度0.88、95%信頼区間0.74-1.05)
②20g/日以上あるいは140g/週以上のアルコールを消費する人は相対危険度が1.26と、老人性白内障のリスクが高まる。(相対危険度1.26、95%信頼区間1.06-1.50)
という結果が得られました。つまり、どういうことかというと、
アルコールを多量に飲む人は老人性白内障のリスクがそうでない人の約1.25倍なりやすくて、逆に適度にアルコールを飲んでいる人はそのリスクは少し減りますよ。
ということです。アルコール量20gというのは具体的にどの程度の量なのかというと、
ビール中瓶1本(500ml)
日本酒1合(180ml)
ワインのボトル1/4(180ml)
これ以上飲むと飲みすぎということになります。まあ、週でならしてビール中瓶1本なら問題なさそうです。やっぱりお酒はほどほどに飲まないといけないみたいですね…泣
今回のブログはこれで以上です。また次のブログでお会いしましょう~
なお、この論文について、さらに詳しい内容を知りたい方は論文掲載HPをご覧ください。どうしても分からない内容がある、記事にしてほしいなどの要望がございましたら、ブログにコメントしていただくか、僕のTwitter(@doctorK)にDMをしていただければと思います。
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