こうして決まる論文の信頼度
皆さん、おはようございます。ドクターKです。
そろそろ論文も投稿を踏まえた内容を投稿していこうと思っているのですが…
その前に!
論文を読むうえで大事なのが、その論文はどの程度信頼をおけるものであるのかということ。そこで、今回のブログでは論文を読むうえで重要な“エビデンスレベル”というものに焦点を当てて説明していきます。
エビデンスレベルとは
「研究結果を論文にまとめて、その論文が有名雑誌に載っていればその信頼度が高んだ!」
と、一概には言えません。
研究方法によってその信頼度は異なり、その目安となるのが“エビデンスレベル”と呼ばれるものになります。
I |
システマティック・レビュー/RCTのメタアナリシス |
II |
1つ以上のランダム化比較試験による |
III |
非ランダム化比較試験による |
IVa |
分析疫学的研究(コホート研究) |
IVb |
分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究) |
V |
記述研究(症例報告やケース・シリーズ) |
VI |
患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見 |
さて、これがエビデンスレベルです!と言われてもあまりピンと来ないかもしれませんね。Ⅰに近ければ近いほどエビデンスレベルは高く、その信頼度は上がっていきます。
例えば、ⅠにあるシステマティックレビューやRCTのメタアナリシスというのは幾つかの研究を分析している論文、つまり「論文の論文」のようなものであり、その信頼度が高くなります。逆に、一番下のⅥにある、テレビなどの医師の意見はエビデンスレベルが最も低くなっています。このブログも残念ながら医師一人の意見なのでエビデンスレベルはⅥになってしまいます(笑)
そして、患者さんの経過を踏まえた症例報告などの記述研究、患者さんを集めて研究を行う症例対照研究などの分析疫学的研究、といった具合に徐々に検討する患者さんの数が増えていくと信頼度は上がっていきます。
皆さんは自分が新しい治療の対象だとすると、「きっと良い治療だろうから、ちょっとこの治療効果があるような気がする!」といった具合に、自分が新治療対象であるかどうかを意識すると、実際は効果がないのにあるように感じることがあります。
こういったことを減らすために患者さんや医師が、自分は治療に関与していることを認識させないようにするため、“盲検化”をすることということをすることがあります。すると、その研究の信頼度は上がっていきます。
このように研究内容によって論文の信頼度は変化していきます。そして、論文を読むうえでこのエビデンスレベルを踏まえることが重要です。
僕のブログでも論文を紹介するときはこのエビデンスレベルをできるだけ記載していきたいと思います。表記方法はこの記事で記載しているローマ数字でいきたいと思います!皆さんもエビデンスレベルを意識する習慣を身に付けておくとよい論文ライフが送れるようになるかもしれませんね。
それではブログはここまでです!また、次のブログでお会いしましょう~
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より引用しています。
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[i] 国立がん研究センター がん情報サービスHPより引用
https://ganjoho.jp/med_pro/med_info/guideline/guideline.html