とある眼科医のつぶやき

とある眼科医は日頃の診療で患者さんから質問されることに答えたり、眼に関する役立つ知識を提供します。

Mooren角膜潰瘍

Mooren角膜潰瘍


【概論】
・角膜周辺部にみられる特発性、進行性の潰瘍
・原因は角膜を抗原とする自己免疫反応とされる
・中高年で発症する片眼性、若年者で発症する予後不良な両眼性
【診断】
・リウマチ、膠原病、血管炎などの全身疾患を伴う角膜周辺部潰瘍を除外 →リウマチ因子や抗核抗体検査などを行い、全身疾患の有無を精査する必要がある。 ・初期には角膜周辺部への炎症細胞の浸潤、弧状に上皮欠損が発症し、数週間後に潰瘍へ進 行する。 ・潰瘍部は実質が深く坑道状にえぐれ、角膜中央側の潰瘍端は突出した特徴的な所見が認め られる。
【治療】
1薬物
ステロイド点眼+二次感染予防の抗生物質点眼 +αでステロイドのテノン嚢下注射、全身投与や、シクロスポリンなど免疫抑制薬の局所・ 全身投与が行われることもある
2外科的
・潰瘍部周辺の結膜切除(Brown手術)
・角膜上皮形成術
・周辺部表層角膜移植術

 

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